【デュエルSS】探偵 海馬瀬人 第1話
ニコニコ探偵倶楽部~消えた婚約者~


オレの名は海馬瀬人。
高校生でありながら、海馬コーポレーションの社長を務めるスーパー高校生だ。
このオレの運命はバトルシティを開催したあの日に変わった。
妙な連中に釣られた遊戯を追いかけてみれば、
いつの間にやら魔王を倒して世界を救うなどという馬鹿げたことをしている。
そして、オレの全身全霊を賭して魔王を倒してみれば、
ワケも分からぬうちに黒ずくめの男によって狂った空間に連行され、
今度はその世界を救えと頼まれた。…バカバカしい。
いつまでこんな茶番が続くのか。オレのブルーアイズもオベリスクも泣いている。
挙句、荒野に飛ばされ、くだらん野球勝負を持ち込まれ、
気がつけばこんな狭い船の中でラストダンジョンへ向かっている。
ふぅん、つまらん。張り合いがない。
やはりオレにこんな“ちゃんばらごっこ”は似合わん。
デュエリストはデュエルの中でこそ輝く!そこで、オレは自室へデッキを取りに行った。
まったく、このオレがあれほど熱心に勧めたというのにあの隊員…!
オレは少し前、ディスクの販売をしてみたのだが全く反応がない。
そこでオレは実演販売をすることにした。ずいぶんと庶民的だが、しかたない。
オレは自室の扉に手を掛ける。
「ん?」
鍵が開いている?
おかしい。馬鹿な。ありえん。
このオレが鍵の閉め忘れをするなど…。
まぁ、新式の船の割に従来の鍵穴式だからピッキングされても不思議ではないか。
こんなことなら、オレの部屋の鍵を特別にこしらえておくのだったな。
「……。」
思考を張り巡らせる間、オレは一枚のカードを思い浮かべた。
「……オベリスク!」
気がつけば、体当たりでもしたかのように勢いよく扉を開け放ち、
自分のデッキを確認しに走っていた。
オレの頭は真っ白になっていた。
まさか…鍵を開けたヤツは……!
オレの神を奪い去ったとでも言うのか!?なんという不覚!
ここに短刀があったなら、オレはすぐさま腹をかっさばいていただろう。
「カイザー・シーホース…収縮…ブラッド・ヴォルス…死のデッキ破壊ウイルス…
 …オベリスクの巨神兵!?」
オレの思惑とは裏腹にオベリスクは変わらぬ姿を見せていた。
この波動…カードから伝わる息吹…鼓動…。
持っただけで分かる。間違いない。これはオレのオベリスクの巨神兵。
どういうことだ?神のカードが目的ではないと言うのか?
「クロス・ソウル…攻撃の無力化…X-ヘッド・キャノン…ミノタウロス…
 ……37枚。」
あれ以上頭が真っ白にはならないと思っていた。
ただでさえ、あの時は動転していた。ありえないほど。
だが、今のこの気持ちはもはや例えようもない。
どう例えればこの絶望が伝わるかオレには分からない。
「……ブルーアイズ…ホワイト…ドラゴン……。」
オレのデッキからすっきりくっきりかっきりブルーアイズだけが抜かれていた。
普通ならこの場で立ち尽くすのだろう。
が、オレは凡人とは違う。すぐに状況の把握に努めた。
そして、一つの結論が浮かび上がった。

犯人はオレの扉をコジ開け、
そして、ブルーアイズだけを正確に盗んだ。
動機は…オレに精神的ダメージを与えるため?
現場が荒らされた形跡はなく、並の人間なら賊が入ったことすら気づかない。
行き当たりばったりではなく、計画的な犯行ではないだろうか。

一体誰が?誰がこんなマネを…何のために?
「お~い、海馬~。いる~?」
オレの耳に飛び込んできた、ズケズケした乱暴な女の声。
それは、賊として名を上げている胡散臭い女…。
「……魔理沙か。」
「おぅ。入るよ~。
 ホラ、見てみなよ。マリオからもらったキノコで八頭身になったんだぜ。
 もう、チビだなんて言わせないぜ!」
聞こえない。
何も聞こえない。
オレの頭にあるのはただ一つ。
……天誅!
「キサマかっ!」
「!!?」
「オレのブルーアイズを盗んだのはキサマかああああぁぁぁぁぁっ!」
オレは夢中で馬の骨の襟首を掴んでいた。
何故か八頭身だったので、非常に掴みやすい。
「え、え、え、え、え……?」
「吐け、馬の骨が!キサマが盗んだんだろう!どこにある!さっさと吐け!」
オレは馬の骨を乱暴にぐわんぐわん揺らす。
魔理沙の図体はデカイが、水飲み鳥のように簡単に上下運動をする。
「わ、わ、わたし…なにも、しらない…。」
「嘘をつくな!キサマ以外に誰ができると言うのだ!」
「だ、だって……私は…自分の部屋で…ポージングしてて、
 それで…つい…さっき、海馬の所へ行こうと……。」
自分の部屋にいたということがどういうことか分かっていないらしい。
それはつまり、アリバイがないことの何よりの証明だ。
そう考えたオレは、やはりコイツに相応の罰を与えるべきだと判断した。
「キサマはオレのブルーアイズを盗むどころか…シラを切るつもりらしい。」
「だ、だから……。」
おびえきった目をしている。ふぅん。デカイのは図体だけのようだ。
確かに少し頭に血が上っているかもしれないが、そんなことはどうでもいい。
「かくなる上は…キサマにこの世の地獄を見せてやる他ないようだな…。」
「ひ……ひぇぇ……。」
「さぁ、吐けェェェェ!」
オレは魔理沙にコブラツイストを掛ける。
八頭身だったので非常に掛けやすい。まさか、このためにわざわざ?
「ぐぇぇぇ…ち、違う…ホントに…知らない…!」
「まだシラを切るか…。
 ならば!」
武力行使ではラチがあかない。そこで、オレは精神攻撃をすることにした。
「ABBBBABBAAA!ABBBBABBAAA!
 リバースカード!リバースカード!リバースカード!エネミーコントローラー!」
「うはっああぁぁあ!盗んでいきましたMADらめええぇぇぇ!
 アリスが荒れちゃうのおおぉぉぉぉ!(人形裁判レイプ的な意味で)」
やはり拳で裁くしかない!
「レアカードに傷がついたわぁっ!」
「私の心に傷がついたわぁっ!」
今度は、右手で顔面を掴みながら聞いてみた。
「そこのお前、オレのカードに見覚えはないか?」
「し、知らねぇ…私は何も知らねぇ…!」
こうしてしばらくの間、オレの一方的な天誅は続いた。

しかし、オレが天誅を下す間、魔理沙は依然として罪を否定し続けた。
ここまで頑なに罪を否定するとは…。
「はぁ…はぁ…はぁ…。」
今、オレの足元に転がっている濡れそぼった肉塊。
先ほどはオレより少し高いくらいの背だったが、いつの間にか元のサイズに戻っていた。
冷静になって考えてみると、自室にいた=アリバイなしとは限らない。
証明してくれる者や目撃者を探せば済む話だ。
そもそも、ノコノコと現場に戻る理由が見当たらない。忘れ物をしたわけではあるまいし。
どうやら……。
「フン。違ったらしいな…。すまなかった。」
「だから、最初っから『違う』って言ってただろうがっ!」
まだ、叫ぶ元気があったらしい。

「馬の骨が犯人でないとすれば…一体、誰がオレのブルーアイズを?」
「まだ、馬の骨なのかよ…。」
「まぁ、オレが一人で調べてみるとしよう。
 ブルーアイズを盗むとはずいぶんと大胆なヤツだが、幸いにもここは狭い。
 目撃者を探せば、すぐに足跡が見つかるはずだ。
 キサマは自室にでも帰って、寝ているがいい。」
オレはデッキをブルーアイズなしで機能するように調整し、
ジェラルミンケースと手帳とペンを持ち、部屋を後にする。
まずは聞き込みから始める。
オレには情報が不足している。
動機、手口はさておき、とりあえず容疑者のアリバイくらいは調べなければならない。
かなりの情報が飛び交うことを考えると、さすがのオレも覚えきれない。
そこで手帳が役に立つわけだ。
まったく…こんな時に厄介なことをする者がいたものだ。
ひとまず、オレの目的はたったふたつ。
一つ目は犯人を捜すこと。
二つ目は犯人の処遇に関してだ。

…今日は厄日だ。
マリオからもらったキノコを食べてパワーアップしたと思ったら…。
アリスに弾幕をもらった上に、海馬から拷問を受ける始末。
しかも、あんなヒドイ目に遭わせておいて「すまなかった」の一言だけだし…。
こんな繊細な魔理沙ちゃんが、どれだけ傷ついたかヤツには分かるまい。
…探偵みたいなことしやがって。
知らねーよ、もう。あんなヤツ…。
私はやってないし。関係ないんだし……でも面白そう。
いやいや、海馬なんてほっとけほっとけ……でも楽しそう。
「……あ~~~!もう!」
アイツ、まだ疑ってるかもしれないからな!
「おい、海馬!私も手伝うよ!待てってば!」

…何故か、馬の骨もついてくることになった。解せん。
おまけに、アリスもついてきている。解せん。
「なんで、私も手伝わなきゃならないのよ…。」
「ごめん!頼めるの、アリスしか思いつかなかったんだぜ。」
「ふぅ…。お人よし。」
まったくだ。
お人よしにもほどがある。
最初からオレは誰の手も借りるつもりはない。
この案件はこのオレ自身の力で解決してみせる。
オレの全てと言ってもいいブルーアイズを盗んだ、不埒な輩…。
必ずこのオレの力で暴き出し、この屈辱を晴らさせてもらうぞ!

まずは犯行時刻と思われる事件発覚から1時間のアリバイを中心に情報収集を試みた。
オレが部屋を出たのは1時間前。その間はブルーアイズは無事だった。
つまり、その間に何者かが犯行を行った可能性が高いと見て間違いない。
が、アリバイを持っている者が思いのほか多い。
ピコ麻呂は、ハートマン、リョウ、琴姫と共に鍛錬をしていたようだ。
…とっくにレベル50なのに、何をしていたのか。暇な奴らだ。
涼宮は古泉やその他大勢と共に盆踊りをしていたようだ。一方、阿部高和は増えていた。
ボブと富竹はEDF隊員数名と共に絵を描いていたという。
ロックマン、桂、泉は厨房で料理をしていたのでアリバイ成立。
「なかなか怪しいヤツが出てこないな。」
「そう?だいぶ絞れてきたから考えるのがラクになったと思うけど?」
「少し黙っていろ。気が散る。」
「ぬぐっ…。人が親切に手伝ってるってのに…。」
「それで?私達以外でまだアリバイが取れていないのは誰かしら?」
「キサマらのアリバイに関しては、目撃者も何人かいたから裏は取れた。
 ふぅん、命拾いしたな。」
「だからやってないって…。」
「いいわよ、別に…。それで他は?」
「ストーム1、クラッシャー、谷口、なのは、
 スパイダーマン、マリオ、ミク。以上だ。」
コイツらを見かけた者は何故か0。
部屋にこもっていたのか、はたまた誰の目にも着かないように行動していたか。
「考えすぎじゃないか?
 それより、EDFの隊員とかは疑わないのかよ?」
「確かに、ブルーアイズの価値を知っていて盗んだ可能性はある。
 だが、それにしては神のカードに手を着けていないことが気になる。」
「つまり、海馬がブルーアイズに特別な思い入れがあるのを知っていて、
 なおかつそれを盗むためのチャンスをうかがえたのは、私達24人の中の誰か…ということね?」
「ふぅん、さすがだな。馬の骨よりは使えそうだ。」
「う…。も、もう少し考えます……。」
そうこうしているうちに、ミクの部屋の前に着いた。
鍵を確認したが、無用心にも閉まっていない。
オレは扉をノックする。
まさか、ノックをせずにずけずけと人の部屋に入り込む非常識な輩はいるまい。
「…へんじがないな。」
「誰もいないのかしら?」
「ミク!入るぞ!」
オレは扉を開け、部屋の中へ入った。

特に変わった様子のないミクの部屋には、
ベッドに横たわるミクの姿があった。生気はない。
「え…まさか、死んでる!?」
真っ青な顔になった馬の骨。
全く…バカバカしい。少し考えれば分かるだろう。
「…とりあえず、反応してあげるけど。
 ミクはロボットだから生気がないのは当然でしょ?
 スリープモードにでもしてるんじゃない?」
「正解だ。キサマのジョークは笑えん。もう少し考えろ。」
「…どっちをだよ。」
とりあえず、オレはミクのスリープモードを解除させる。
目を覚まさない限りは話もできん。だが、すぐに目を覚まさせられる辺りがロボットの便利な所だ。
「ん……?海馬社長?
 それに、魔理沙さんとアリスさんも。どうしたんですか?」
「キサマに聞きたいことがある。
 キサマはここにいつから寝ていた?」
「寝て…ああ、スリープモードですか?
 ついさっきです。」
「ついさっき……?」
「はい。えっと、その…ちょっと船を探険していまして。
 それで疲れてきたので、スリープモードにして休んでいたんです。」
「ロボットが疲れるのか?」
「人形は疲れるわよ?」
「そうなんだ。」
また、話をそらす…。勝手にするがいい。
だが、ひとつ気になったことがあった。
船を探検していた…?誰もミクの目撃者がいないというのにか?
そうだな。今までの情報からするとこれは少しおかしい。
オレはミクをもっと問い詰める必要性を感じた。
「…ミク。」
「はい?」
「キサマ、ここで寝るまでは本当は何をしていた?」
「だから、船を探険…」
「何か隠しているのではないか?」
オレはミクを射抜くような眼差しでにらみつけた。
その眼差しにミクは驚き、顔をこわばらせる。
この問題は重要だ。はっきりさせなければならない。
「キサマは先ほどから『船を探険していた』と言っている。
 だが、別の目撃者の証言では、『ミクを見たものはいない』という意見が多かった。」
「あ、えっと…その…あのぅ…。」
しきりにクソ長い髪をいじっている。脈ありかもしれん。
「ならば、何をしていた?
 例えば、『オレの部屋に忍び込んで、カードを盗んでいた』のではあるまいな?」
「そ、そんなことはしていませんっ!」
…我ながらバカなことを聞いた。オレの尋問を黙って聞いている馬の骨以下かもしれん。
そんなことを犯人が軽々しく話すはずもあるまい。
ならば、少し話題を変えるか。
「ミク、今デュエルはできるか?」
「え?ええ…できます、けど。」
「ならば、オレとデュエルしろ。
 オレが勝ったら、正直にキサマの今日の行動を話してもらう。」
「えぇ?!」
「オレはある事件に巻き込まれ、その捜査を独自に行っている。
 些細でもいいから、情報が必要だ。なんとしても聞かせてもらう。
 その代わり、キサマが勝ったら、キサマを犯人から除外してやろう。」
「そんな…いいんですか?私が犯人かも知れないのに?」
「クックック…。偉くなったものだな。
 このオレがキサマごときに負けると思うか?」
「ミク、やった方がいいと思うぜ。
 でないと、いつまでも疑われっぱなしだ。」
横槍を入れてきたのは馬の骨だ。
いつもなら、『引っ込んでいろ!』と一喝するのだが、今回ばかりは助かった。
第三者の介入のおかげで、ミクも先ほどのこわばった顔が緩んだようだし、
さりげなく、オレの考えていることも代弁してくれた。
ふぅん、少しは賞与を考えてやらんこともないか。
「……やります。やらせていただきます…。」
「…クックック。いいカクゴだ。」
オレはミクにもロックマン同様改造を施してある。
ディスクは内蔵済みだ。
オレは静かにディスクを起動させる。
ミクの左腕の袖から8分音譜型ディスクが現れる。
軽く相手をしてやるとするか。
「いくぞ、デュエル!」


海馬 LP4000
 VS
ミク LP4000

ミク「私のターン、ドロー!
 モンスターをセットしてターン終了です。」
 ミク モ1枚、伏せ0枚、手札5枚 LP4000

海馬「ククク…随分貧弱な手だな。
 モンスターをセットするだけとは。」
ミク「…うぅ。」
海馬「オレのターン、ドロー!X-ヘッド・キャノンを召喚!
 バトルフェイズ!
 キサマの脆弱な守備モンスターを粉砕してくれる!X-ヘッド・キャノンで攻撃!」
ミク「きゃあ!」

 X-ヘッド・キャノン ATK1800 × ジャイロイド DEF1000

海馬「なにっ!破壊されないだと!?」
ミク「えっと…ジャイロイドの効果です。
 ジャイロイドは一度だけ、戦闘では破壊されない能力があるのです。」
海馬「ふぅん、たとえ、それがブルーアイズの攻撃でも…か。
 生ぬるい小細工をする…。」
ミク「……。
 (なんか、圧迫面接みたいです…。)」
海馬「ならば、おろかな埋葬を発動。これでY-ドラゴン・ヘッドを墓地に送る。
 リバース・カードを1枚セットしてターンエンドだ。」
 海馬 モ1枚、伏せ1枚、手札3枚 LP4000
 ミク モ1枚、伏せ0枚、手札5枚 LP4000

魔理沙「厄介だな、こういう壁って。
 私なら、マリシャス・エッジでばしっ!と…。」
アリス「パワーで攻める海馬と守備を固めてトリッキーに戦うミク…ってところかしら?」

ミク「私のターン、ドロー!
 …ふふっ。サブマリンロイドを召喚。かわいいでしょ?」
海馬「ふぅん。たかだか攻撃力800のモンスターを召喚してご満悦か、ミク。」
ミク「かわいいからって油断しちゃダメですよ。サブマリンロイドにも効果があるんです。
 バトルフェイズ!
 サブマリンロイドで攻撃!てらぎょらーい!」
海馬「ワハハハ!そんなザコの攻撃がX-ヘッド・キャノンに通るはずが…ごふっ!」

 サブマリンロイド ATK800 ダイレクトアタック
 海馬 LP4000→3200

ミク「サブマリンロイドは相手に直接攻撃をすることができます。
 さらに、サブマリンロイドは攻撃後、守備表示にすることもできるんです。」
海馬「ぐ…おのれェ。ザコの分際でこのオレに傷を負わすとはァ…!」
ミク「ひゃっ…そ、そんなににらまないでください…。
 カードを1枚セットしてターンを終了します。」
 ミク モ2枚、伏せ1枚、手札4枚 LP4000
 海馬 モ1枚、伏せ1枚、手札3枚 LP3200

海馬「オレのターン、ドロー!ブラッド・ヴォルスを召喚!
 バトルフェイズ!
 まずはこのオレに傷を負わせた、その潜水艦から撃沈させてくれる!
 いけ、ブラッド・ヴォルス!」

 ブラッド・ヴォルス ATK1900 × サブマリンロイド DEF1800(破壊)

海馬「サブマリンロイド、撃☆沈!」
ミク「きゃあ!」
海馬「さらに罠カード、リビングデッドの呼び声を発動!
 墓地のY-ドラゴン・ヘッドを攻撃表示で特殊召喚する。
 ククク…これがどういうことか分かるか、ミク。」
ミク「えっと……あ!」

魔理沙「ジャイロイドは一回は戦闘破壊されないけど、二回は耐えられない…。」
アリス「そう。このターンにジャイロイドは破壊されて丸裸になっちゃうわね。」
魔理沙「…にしても、大人気ないなぁ、ホント。」

海馬「全速前進DA☆
 XとYでジャイロイドを攻撃!」
ミク「や、やめてぇぇぇ!
 罠カード発動!…スーパーチャージ!」
海馬「なにっ!」
ミク「相手の攻撃宣言時に表側表示の機械族の『ロイド』のみが存在している時…
 デッキからカードを2枚ドローするカードです。」
アリス「……。」
魔理沙「…それだけ?」
ミク「それだけです。」
海馬「ワハハハハ!とんだ茶番だったな!
 いけ!まずはY-ドラゴン・ヘッドの攻撃!」

 Y-ドラゴン・ヘッド ATK1500 × ジャイロイド DEF1000

海馬「続いて、X-ヘッド・キャノンの攻撃!」

 X-ヘッド・キャノン ATK1800 × ジャイロイド DEF1000(破壊)

ミク「きゃああっ!」
海馬「ジャイロイド、撃☆墜!
 さらにメインフェイズ2。オレはX-ヘッド・キャノンとY-ドラゴン・ヘッドを合体させる!」
ミク「合体…!」
海馬「いくぞ!Y-ドラゴン・ヘッドをXーヘッド・キャノンに装備!
 これにより、X-ヘッド・キャノンの攻撃力は400ポイントアップする!」
ミク「攻撃力1900と2200…!」
海馬「ククク…。さぁ、このプレッシャーをどう切り抜けるか見せてもらおうか。
 リバース・カードを1枚セットしてターンエンドだ。」
 海馬 モ2枚、伏せ1枚、魔1枚、罠1枚、手札2枚 LP3200
 ミク モ0枚、伏せ0枚、手札6枚 LP4000

ミク「ここから…ここからなんとか反撃をしなくちゃ…!
 私のターン、ドロー…いける!
 手札からモンスターカード、沼地の魔神王の効果を発動し、
 デッキから融合カードを手札に加えます。」
海馬「融合だと…?」
ミク「さらにエクスプレスロイドを召喚。
 エクスプレスロイドを召喚した時、効果によって墓地からロイド2体を手札に加えることができます。
 この効果でサブマリンロイドとジャイロイドを手札に戻します。
 そして、手札から魔法カード、融合を発動!」
海馬「まさか、キサマも…?」
ミク「手札のサブマリンロイド、ドリルロイド、スチームロイドを融合し、
 スーパービークロイド-ジャンボドリルに変形合体!」

魔理沙「あれ?でもなんかかわいい。」
アリス「やっぱりビークロイドはかわいいわね~。
 XYZはなんか無骨すぎ…。」

ミク「バトルフェイズ!
 ジャンボ・ドリルでX-ヘッド・キャノンを攻撃!」
海馬「ククク…甘いわ!速攻魔法、収縮を発動!
 これでキサマのジャンボドリルの攻撃力は半減される。」
ミク「えっ…!」

 スーパービークロイド-ジャンボドリル ATK1500(破壊) × X-ヘッド・キャノン ATK2200
 ミク LP4000→3300

ミク「きゃあっ!」
海馬「ワハハハハ!今一歩、ツメが甘かったな!」
ミク「うぅ…。せっかくジャンボドリルを出したのに…。」
海馬「ふぅん、エクスプレスロイドは残ったが、そんな貧弱なモンスターではどうすることもできまい。
 どうやら勝負は見えたようだな。」
ミク「(つけいるスキがあるとすれば…それは、勝利を確信した社長の一瞬の油断!)
 カードを2枚セットしてターンを終了します。」
 ミク モ1枚、伏せ2枚、手札2枚 LP3300
 海馬 モ2枚、伏せ0枚、魔1枚、罠1枚、手札2枚 LP3200

海馬「このターンで引導を渡してくれる!ドロー!
 Z-メタル・キャタピラーを召喚!今、この場にXYZが揃った!
 オレは、この3体を合体させる!」
ミク「ついに…!」
海馬「XYZを除外し、変形合体!
 みるがいい!これがXYZの最強究極無敵の最終形態、XYZ-ドラゴン・キャノンだ!
 ワハハハハハ!」
ミク「……。」
海馬「ふぅん、どうした。XYZのあまりの美麗さに言葉も出ないか。
 安心しろ、今、XYZの攻撃で終わらせてやる!ワハハハハハハハ!」
ミク「…あの、その…ちょっとかわいそうだな、と思いまして。」
海馬「なに?」
ミク「罠発動、激流葬…。」
海馬「激流葬だと?!」
ミク「このカードはモンスターが召喚、反転召喚、特殊召喚された時、
 フィールド上のモンスターを全て破壊するカードです…ごめんなさい、ごめんなさい…。」
海馬「ば、ばかな!奇跡を起こしたというのかああぁぁぁ!」
 ブラッド・ヴォルス 破壊
 XYZ-ドラゴン・キャノン 破壊

 エクスプレスロイド 破壊

魔理沙「南無。」
アリス「コレだから…。」

海馬「キ、キ、キィィィィィ……。お…オレのXYZがぁぁぁ…。
 ぜ…ぜん……め…めつめつめつ……。」
ミク「ごめんなさい、ごめんなさい…。」
魔理沙「でも今度は、あっちがダイレクトアタックできそうだな。」
海馬「黙れ!おのれぇぇ…キサマ!生かして帰さん!
 カードを2枚伏せてターン終了だ!」
 海馬 モ0枚、伏せ2枚、罠1枚、手札0枚 LP3200
 ミク モ0枚、伏せ1枚、手札2枚 LP3300

ミク「私のターン、ドロー!
 …いよいよ、ビークロイドの真価をお見せできる時が来たみたいです。」
海馬「ほぅ。」
ミク「罠発動、チェーン・マテリアル。」

魔理沙「ハッピー☆マテリアル?」
ミク「♪ひかる風を追い越したら
 君にきっとあえるね
 新しいかがやき HAPPY READY GO!!♪」
海馬「ギャラリーは黙ってみていろ。」
魔理沙「はい。」

ミク「このカードの発動ターン、融合素材モンスターはフィールドと手札だけでなく、
 墓地とデッキからも使うことができます。ただし素材は除外され、
 融合召喚したモンスターはそのターンの間攻撃できず、エンドフェイズに破壊されちゃいますけど。」
海馬「フン。ずいぶんとデタラメなカードだな。」
ミク「そして手札から魔法カード、ビークロイド・コネクション・ゾーンを発動!
 このカードはビークロイド専用の融合魔法カードです。
 デッキからエクスプレスロイド、ステルスロイド、トラックロイド、ドリルロイドを除外して融合!
 スーパービークロイド-ステルス・ユニオンに変形合体!」
海馬「なにっ!攻撃力3600のモンスターだと…!」
ミク「このモンスターは攻撃時のみ攻撃力が半分になりますが…今の社長にはこれでも充分なはず!
 さらにジャイロイドを召喚!
 バトルフェイズ!
 ジャイロイドで攻撃!」

 ジャイロイド ATK1000 ダイレクトアタック
 海馬 LP3200→2200

海馬「ぐおっ!」
ミク「カードを1枚セットしてターンを終了します。」

魔理沙「あれ?そうしたら、ステルス・ユニオンはチェーン・マテリアルの効果で破壊されちゃうんじゃ…。」
ミク「心配無用です。
 ビークロイド・コネクション・ゾーンで融合召喚されたモンスターは効果によって破壊されないんです。
 つまり、チェーン・マテリアル…罠による破壊は無効になります。」
魔理沙「あ、なるほどね。」
アリス「それにデッキからモンスターを4体も引っ張ったから、4枚分少なくなったわね。」
ミク「さらに、モンスターの効果でも魔法の効果でも破壊することはできません。
 加えて攻撃力は3600…。そう簡単には倒せませんよ。」
 ミク モ2枚、伏せ1枚、手札0枚 LP3300
 海馬 モ0枚、伏せ2枚、罠1枚、手札0枚 LP2200

魔理沙「すごいなぁ。ひょっとしたら…勝っちゃうかも。」
アリス「でも…不気味なことに、海馬がひとっことも口を聞かないのよね…。」

海馬「ククク…。そんな木偶の棒を出して満足か…。」
ミク「で、デクノボーですか…。」
海馬「そうだ。満足に攻撃もできないようでは、破壊耐性など宝の持ち腐れ…。
 そんなモンスターに頼るようではタカが知れている。」
ミク「ムッ…。いくら社長でもひどいです!
 そういう台詞は、ステルス・ユニオンを除去してから言ってください!」
海馬「よかろう。今からオレが、真の力というものを見せてやろう…。
 オレのターン、ドロー!オレはライフを半分支払い、罠カード、異次元からの帰還を発動する!」
 海馬 LP2200→1100

ミク「あっ…!」
海馬「このカードは、除外されたオレのモンスターを可能な限り特殊召喚するカード。
 帰還せよ!忠実なる僕、XYZ達よ!」
ミク「一瞬で3体のモンスターが揃った……?
 3…体…!」
海馬「オレの力を剣に変え、ここに具現させる!
 XYZを生け贄に捧げ、オベリスクの巨神兵を召喚!」

魔理沙「うわっ…!きたぜ、海馬の持つ神のカード…!」
アリス「ホントにすごい威圧感…!」

海馬「さらに無謀な欲張りを発動し、カードを2枚ドロー!
 ククク…。やはり、運命はどこまでもオレに味方する。
 手札から魔法カード、精神操作を発動!
 これにより、このターンの間キサマのステルス・ユニオンをオレの手駒とする!」
ミク「あ…そんな…!」
海馬「そして地砕きを発動!このカードにより、ジャイロイドを破壊!
 道を開けろぉ、ザコが!」
 ジャイロイド 破壊

ミク「きゃあ!
 さっきから…私のビークロイドがヒドイ目に遭ってばっかり……(泣」
海馬「ワハハハ!さぁ…これで守備モンスターは消えた。
 バトルフェイズ!
 オベリスクよ、その力を存分に奮うがいい!」
ミク「く…罠カード、次元幽閉を発動!
 このカードにより、オベリスクの巨神兵を除外します!」
海馬「ワハハハ!神の前に小細工など通用せん!
 消え去れ、東京地検!オベリスク・ゴッドハンド・クラッシャー!」

 オベリスクの巨神兵 ATK4000 ダイレクトアタック
 ミク LP3300→0

ミク「ぐふぅ……ぅ…っ!」
海馬「ワハハハハハ!オレの勝ちだな、ミク!
 ワハハハハハハ!」

「うぅ……負けちゃいました。」
「ドンマイ。海馬じゃ仕方ないわよ。」
「もう少し手加減してやれよ。」
まったく…。大方この連中は他人事だと思っているのだろうが、
オレにとっては死活問題だ。
まぁ、少しは楽しめたが、さっさと目的を果たさせてもらう。
「さて。オレが勝ったからには聞かせてもらうぞ。
 事件があった時のことをな。」
「あの…私、その…この部屋にいました。それは間違いありません。
 …その後…こ、この部屋でその…。」
ミクがやたらそわそわして要領を得ない。
く…ロボットのくせに、隠し事が好きなようだな…。ウソをつかれるよりはマシだが。
何か聞いていて…妙に力が入ってきた。
「いいかげんにしろ!
 キサマ、ロボットのくせに命令を聞けないとでも言うのか!?」
「あ、あ、あの…。ちょっと…話しにくいんです…。」
「え~?話しにくいことって一体なんだ?」
「……分かったわ。私が聞いてあげる。
 ちょっと、こっち来て。」
アリスはミクを連れて部屋を出てしまった。
まぁ、女同士なら話せることもあるのだろう。
これだけ働けるなら、将来、秘書として使ってやらないこともない。
「あ、じゃあ私も…。」
「キサマは留守番していろ。これ以上話をややこしくするな。」
「なんで、私だけ…。」

しばらくして、アリスとミクが帰ってきた。
「…とりあえず、関係ないみたいよ!」
「そうなんです!関係ないんです!」
ミクはともかく、アリスの様子が明らかにおかしい。
二人して何を隠している?
「キサマ…。そっちに尻尾を振るつもりか…!」
「ち、違う違う!そうじゃないけど、でも関係ないのよミクは!
 その…女の子には一つくらい秘密があっても仕方ないのよ!」
意味が分からん。
「なんだよ!私にも聞かせてくれないのかよー!
 アリスのケチ!」
「魔理沙!これ以上ややこしくしないで!」
「なんで、私だけ…。」
「おのれ…キサマら、このまま終わりにする気か?」
「そういうわけじゃないけど…。」
この二人を問い詰めても、全く話が見えてこない。
一体、何をしていたのだろうか?
馬の骨同様、力押しでは通用しない。少し考えてみるとしよう。
ミクとアリスの顔がやけに赤い…。しかも、やたらとそわそわしている。
スカートの裾をいじったり、ドレスの帯の辺りをいじったり…。
ふと、ミクが横たわっていたベッドを見てみる。
よく見てみると…ベッドの傍らにネギが立て掛けられている。ネギ?気づかなかったな。
何故かカピカピになっている。水分に触れた後で乾かしたのだろうか。
少し気になったオレは、床を調べてみる。
…やはり、先ほどのネギと同じように濡れていたようなアトがある。
この部屋に水物は置いていない。
加えて、アリスとミクのあの態度。ということは…。
「…大体、事情は分かった。
 とりあえず、キサマはシロらしい。」
「そ、そうなんです!分かってくれましたか?」
「ああ。アリス、魔理沙。
 時間のムダだった。さっさと部屋を出るぞ。」
「え?な、なんで?
 もしかして、何をしてたか分かったのかよ?」
「…ふぅん。」
「え~!じゃあ、教えてくれよ!」
「知らん!アリスにでも聞け!」
バカバカしくなったオレは先に部屋を出た。
ドアの閉まる音が荒々しく背後に響く。
「……ふぅ。次に行くべきは…。」
オレは気を紛らわすために手帳を取り出し、これまでのことを整理していた。
いつもだったら、こういうことはモクバに任せていたのだが…まぁ、今回ばかりは都合がよかった。
そういえば、ずいぶんと日が経ってしまったがバトルシティはどうなっているのだろうか?
オレと遊戯がいないことに気づいて大騒ぎになっているのだろうか。
一刻も早く帰りたいところだ。だが、まずはブルーアイズを救出することを考えなければな。

海馬が部屋を出ちまった…。
でもこれこそ最大のチャンス!だろ?
そう思ってアリスに聞いてみた。
「…で?何してたの?」
「…海馬の真似してみたら?」
「海馬の?」
そういえば、海馬はさっき床とかベッドの傍を調べてたら何かに気づいてたみたいだな。
「あの…お掃除用具が見つからなくって後片付けがまともにできなかったので…。
 それできっと、アトが残っちゃったんですね。」
「気にすることはないわよ。
 魔理沙、どうするの?」
うぅ~ん…。何があったか気になるけど…ま、知らない方がいいこともあるみたいだし。
「もういいや。行こうぜ。」
「ええ。その方がいいわ。
 じゃあね、ミク。」
「あ、はい。社長にもよろしくお伝えください。」
アイツ、取り付くシマもなかったからな…。仕方ないなぁ。
とりあえず私は部屋を出るために、扉を開けて部屋を出ようとしたら…。
「ええ。あ、ミク。」
「?」
急にアリスがミクを呼んだんで、ちょっと気になって聞き耳を立ててみた。
「後で私がいぃ~もの貸してあげるから…待っててね☆」
「…期待しないで待ってます。」
「ふふ。なんだか、ちょっと親近感が湧いちゃった。」
アリスのいたずらっぽい笑い声と、ミクの苦笑いにも似た笑い声…。
…分からん!何をしていたんだ!今、どんな約束をしていたんだああぁぁぁ!

その頃、遊戯は――
遊戯「う~ん、どれにするか迷うぜ。」
AIBO「もう、全部モンスターカードにして、バーサーカーソウル3枚積みでいいんじゃない?」
遊戯「でもそうしたら、突然デュエルを吹っかけられたらどうするんだ?」
AIBO「デュエルを仕掛けられたら、別のデッキを使えばいいじゃない。」
遊戯「う~ん…よし!オレはホワイト・デビル・マジシャンガールを使うぜ!」
AIBO「…どこにあるの?」
遊戯「パーティにいるだろ?
 早速、マインドクラッシュしてくるZE☆」
AIBO「もう一人のボク…大好きだ…(泣」







<デッキ解説>
一応、ミクはアイドルです。
長いのでどうでもいい人は飛ばしちゃってください。


ミクのデッキ
可愛らしい乗り物と、心を揺さぶる巨大ロボットが中心の【ビークロイド】。
同じ機械族の【サイバー・ドラゴン】と比べるとパワーに欠け、
【ガジェット】と比べると手札効率が悪く、どこか地味目な印象を受ける。
だが、個々のカードはそれほど弱くはない。
直接攻撃ができ、攻撃後は守備表示にできるサブマリンロイド、
守備表示モンスターを問答無用で破壊するドリルロイド、
攻撃時に攻撃力が2300に上がるスチームロイド、
墓地のロイド2体を手札に戻せるエクスプレスロイドと粒揃い。
見た目はかわいいけど意外と使える子ばかりなのよ。
さらに、ビークロイド・コネクション・ゾーンという専用融合魔法が存在しており、
効果による破壊への完全耐性を得られる。もちろん、幻魔(笑)や邪神(爆笑)とは比べ物にならない。
手札に戻す、除外するなどの効果は通るのがたまにキズだが、それでも狙う価値はある。
今までは従来の融合と変わらないため使いにくいカードだったが、チェーン・マテリアルの登場により、
手札、フィールドだけでなく墓地とデッキからも素材を集められるようになった。
また、チェーン・マテリアルのデメリットであるエンドフェイズの破壊も、
ビークロイド・コネクション・ゾーンで無効にできるため、非常に相性がよい。
ステルス・ユニオンを選択すれば今回のように、デッキ圧縮と壁兼戦闘要員としての活躍が期待できる。
トーナメントクラスにはまだ程遠いが、翔同様に着実に力をつけているファンデッキである。
ちなみにダーク・ジェ“ロイド”等のようにロイドと名前がついているカードもある。
名前にロイドがついているので当然サポートは受けられる。
これを阻止するため、「ロイドという名のついた機械族」と回りくどく表記する辺りに
スタッフの涙ぐましい努力が見られる。が、その努力は今のところ数えるほどのカードにしか見られない。

そして大型ビークロイドに関してだが、融合モンスターであるスーパービークロイド-ジャンボドリルは
形状からウルトラセブンに出てくるマグマライザーなどの乗り物やグレンラガンをほうふつとさせる。
また、スーパービークロイド-ステルス・ユニオンは融合素材も含めて
勇者王ガオガイガーの巨大ロボットをほうふつとさせる姿になっている。
ロボットマニアにはたまらないシリーズであるため、この辺りからも【ビークロイド】の人気は高い。
さらに、漫画版GXではアーマロイド・ガイデンゴー、ソリッド・ロイドαβγが登場。
ますますそれっぽくなってきた。どんな姿か知りたい人は1巻と3巻を買ってね。
ガイデンゴーは定期購読特典とかいうケチな入手法でしか手に入らないため高額で取引される。
使う人がいるかどうかは不問として…。そのため、ソリッド・ロイドも定期購読特典の線が濃厚。残念!

GXでは伝説の男カイザー亮の弟である丸藤翔が使用。
主人公十代をアニキと呼んで慕っている。
兄はエリート街道まっしぐらだったが、弟の方はどこか出来が悪かったようだ。
よくある「兄弟のうち、どっちかの出来がいいとどっちかができそこないになる」の典型例。
最初は最底辺のレッドだったが、二年目にはイエローに昇格。
最終的に亮と同じブルーにまで上り詰め、カイザー亮の弟にふさわしい存在となった。
周りが化け物揃いなので目立たないが、翔も実力派。
あの裏サイバー流によって敵なしだったヘルカイザー亮をあと一歩の所まで追い詰めた。
第三期ではとある事情で十代に反発するようになった。最終的には和解している。
が、今までアニキと慕っておいて手のひらを返したように呼び捨てにするので非常に不人気だった。
その不人気さたるや、当時の2ちゃんねる実況板は「三沢」と「翔氏ね」で埋め尽くされるほどだった。
翔がぱっと出てくると「翔氏ね」などとという書き込みが一斉に20resくらい着いた。
第四期では外道流派のサイコ流、猪爪がカイザーを倒すために登場。
今まで行ってきたデュエルによってダメージを受けていたカイザーの代役を務めた。
その際、【サイバー・ダーク】に【ビークロイド】の要素を混ぜるという特殊な構成のデッキを使用した。
デュエル後、亮は翔の成長を認め、カイザーの称号を翔に託した。
そして亮と共に翔も新たな道を進むのであった。
一方、漫画版ではレッドに甘んじていた原因は「優しさ」「甘さ」であり、本来は出来る子だった。
どれほど優しいかと言うと、苦労して召喚したモンスターを落とし穴で除去したせいで泣いちゃった子のために、
モンスターを出さずにターンを譲ってあげたエピソードがあるほど。空気の読める子じゃないか。
十代と共に行動するうちに成長し、やがて行われた大会では亮と同じ舞台で闘うために大健闘した。
ちなみにアニメのお兄さんは無茶苦茶だが、漫画のお兄さんはブラコン気味。

なお、スーパーチャージはよく分からんカード。
「フィールド上に『ロイド』と名のついた機械族モンスターのみが存在する場合」というのは、
「フィールドにロイドがいて、なおかつ魔法&罠ゾーンにスーパーチャージを含めたカードが存在しない場合」
とも取れるためである。無茶苦茶だが、テキストどおりの解釈だとそうなる。
一時期、そういう裁定が下されたため、ジェット・ロイドとの併用が必要なネタカードだった。
08年7月現在はこの物語で使われたように「モンスターゾーンにロイドがいればOK」ということになった。
そうでないと意味がないカードなので、さすがに、もう裁定が変わることは無いだろう。


海馬のデッキ

【青眼の白龍】…と思いきや、まさかの盗難。仕方なく既存のカードで乗り切ることとなる。
今回は「機械族」「合体」ということで特に【XYZ】が中心となった。
登場当時は原作出身とあってレアリティもかなり高かったが、
当時はユニオンがあまり洗練されておらず使いにくかった。
それでも、コレクターは散財してまでXYZを揃えたことだろう。
その後、改善もなく唐突にV-タイガー・ジェット、W-ウィング・カタパルトが登場。
前述のXYZとVWで、VWXYZ(ブイトゥーズィー)-ドラゴン・カタパルトキャノンなるカードに合体する有様。
ゲットライド!というサポートカードも登場したがそれでも改善は成されずネタ扱い。
どれほどネタと言われているかと言うと…オーバーロード・フュージョンで除外した素材で特殊召喚した
キメラテック・オーバー・ドラゴンをハンマーシュートで爆砕し、異次元からの帰還などでVWXYZを揃えて
融合させることすら、有効な手段と言われるほど。普通にグォレンダァ!した方が早いのは言うまでもない。
一応、チェーン・マテリアルでキメラを出す方法もあるが、それもカタパルト・タートルで射出した方が早い。
と、色々と問題があるユニオン。しかし、VWXYZなどの多数のユニオンモンスターを操る万丈目は違う。
異次元格納庫というサポートカードを使い、VWXYZを1ターン目から召喚に成功している。
このカードの登場を期待されているが、いまだに出てくれない…。ユニオン自体は人気があるのだが。
【VWXYZ】を使う場合、XYZやVWXYZを素早く召喚し、なおかつ場持ちをよくすることが課題となる。
まがいなりにも攻撃力は上級の水準以上。加えて除去効果持ち。除去されなければ制圧力はある。

それと、今回なぜかリビングデッドの呼び声が取り残されていたが、
リビングデッドの呼び声は対象を指定する永続罠であるため、対象が装備カード扱いになったり、
手札に戻ったりしてモンスターゾーンから離れると対象がいなくなり、ただの永続罠として残ってしまうのだ。
もちろん、ハリケーンなどで戻せば再利用可能。
ただし、リビングデッドの呼び声がフィールドを離れた場合は、蘇生させたモンスターも破壊される。
これを応用して、相手の大嵐などにチェーンしてクリッターなどの
特殊召喚された時または墓地に送られた時に発動する強制効果持ちのモンスターを蘇生させる手もある。
任意効果だとタイミングを逃すので注意。よくある失敗例がE・HERO エアーマン。
リミット・リバースなどにも使えるので覚えておいて損はない。



最後まで読んでくれてありがとう(´^ω^`)ノシ
NK
http://nannkotsu.blog56.fc2.com/
2008年07月14日(月) 02時29分11秒 公開
■この作品の著作権はNKさんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
「消えた後継者」ならぬ「消えた婚約者」です。
嫁嫁言うけど、17歳じゃ結婚できないよ。
タイトルは「探偵 神宮寺三郎」から、サブタイトルは「ファミコン探偵倶楽部」から取りました。
神宮寺三郎のような語り中心なので、34KBとかなりヤバイです。
ミクのデッキは「びっくびくにしてあげる!」みたいな感じです。
ボーカロイドとビークロイドって似てるじゃない?
それにしても、ロックマンはサイバー流、ミクはビークロイドか…。
今回は推理要素がありますが、そこまで大層なものではないです。
まぁ、とりあえず今回はミクが何をしていたか推理してみてください。

この作品の感想をお寄せください。
チェーンマテリアルを使用したターンは全てのモンスターが攻撃不能。
「このカードを発動したターンこの効果で融合召喚したモンスターは攻撃する事はできず」ではなく「このカードを発動したターン攻撃する事はできず」なので。よってジャイロイドのダイレクトは不可。
30 今更ながらツッコミ ■2008-08-05 22:46:13 124.27.170.62
NKさん新連載ですか
今回は決してソードマスターにならんようにしてくださいよw
10 ナナシ ■2008-07-19 04:17:18 61.204.100.99
 ちょwww これはwww
 社長……油断して《激流葬》を喰らうなんてそれじゃ素人レベr(ry 
 今後の探偵社長の推理が見ものですね。
30 NA☆NA☆SI ■2008-07-15 08:47:16 60.236.163.186
ガッチャ! 楽しいデュエルSSだったぜ!
デュエル好きにはGJとしか言いようがない、最高だぁ!

とりあえず、魔理沙が可愛すぎるからこれからは魔理沙を主人公にすればいいと思うんだ(ぇ
50 時雨 ■2008-07-14 23:55:49 202.122.27.47
ポイント1
ミクはボーカロイドであり、体内を巡る液体は円滑用のオイルとエネルギー回路、レンズ洗浄液と、口から喉からの分泌液のみ。
ポイント2
歌うためのロボットなので、間違っても生殖器官は搭載されてないはずだ。
少なくともユリア100式みたいなダッチワイフロボでもない限りそんなものは搭載されないはずだ。
ポイント3
アリスの「いいもの貸してあげる」・・・
女の子特有の代物なのだろうか。が、親近感が沸いたのは人形遣いのアリスである。
ロボ関連のブツである可能性は高い。
社長もロボットに精通しているため、理解する事は不可能ではない。
ポイント4
話しづらい。そして二人のそわそわした態度。
処理や生理など、殿方に見られたくないものはあるが、ミクはどうであろうか。
ポイント5
ネギが濡れていた。実際は渇いていたという事だ。オイルは乾くのは意外と早い。
洗浄液、唾液などの分泌液も同様に早い。
ここで大事なのは床にも滴るほど液体を垂らしていたという事。

以上のポイントから推理するに・・・
ミクはメンテナンスをしていたのではないか?
ミクにとってはメンテ=処理に値するほど恥ずかしいものなのでは?

ボーカロイドならば、当然喉だ。そしてネギの効能は喉・・・
剣を飲み込む技のように、ミクはネギを喉に差し込み、往復運動させていた。
唾液でネギはべとべとになり、床にも垂れるだろう。
渇いたら当然カピカピになる。
そしてそんな姿でメンテなど、女の子のミクには辛いだろう。だから口に出しづらかったのだ。
そして、アリスならもっとまともな『メンテ用のブツ』を用意できるだろう。
親近感もメンテとアレを重ねていたに過ぎない。

結論
『ミクはネギを喉に出し入れしてメンテを行っていた』
30 暮雨 ■2008-07-14 16:29:37 119.30.200.218
社長気持ちは分かるけど何やってんすか。
ミクが何をやっていたかは……、まぁ聞かない方が
いいんでしょうね……。
30 斜刺 ■2008-07-14 07:34:24 219.161.48.53
合計 180
過去の作品なので感想を投稿することはできません。 <<戻る