【デュエルSS】ピコ麻呂戦記 第2話
※SSを読む時は部屋を明るくして、ゆっくり離れて読んでいってね!!!



前回の続き
ピコ麻呂さんとハートマンさんがデュエル大会に出たよ。
リョウさんと阿部さんが1回戦の相手だったよ。
快勝☆圧勝☆大爆勝だったよ。
他の人はどうかな?

お、クラッシャー&社命丸と言葉&ハルヒも出場してたみたいだよ。
「らっしゃああああぁぁぁぁ!勝ったあああああぁぁぁぁ!
 やっけくそ~♪やっけくそ~♪」
「まぁ、余裕ですね。」
「やられました……。」
「うぐぐ……。てか、アンタ帝デッキじゃなかったの?」
どうやら言葉&ハルヒさんの【ライトロード】&【六武衆】が負けたようです。
しかも、クラッシャーさんがデッキを変えたようですね。
言葉さんはがっかりしてうつむいていらっしゃるようですが、
ハルヒさんが苦虫噛み潰したような目でクラッシャーをにらんでます。
「帝?wwwwww何それ食えるの?wwwwwww」
「トボケんじゃないわよ!ホラ、コレ見なさい!
 記念すべき初のデュエルSS、『暇だったのでデュエル動画を撮ってみた』!」
やめろ。
「そんなのよりも時代はライロだろwwww援軍チェンジで1ターン裁き余裕でしたwwwwwww
 攻撃っすかwwwwwwwオネスト使いますねwwwwwwww」
「私、あの絵柄が好きで使ってたのに……。」
上は最強厨の方の意見、下は普通のファンの方の意見と考えてください。
「それになんだかんだでBF(ブラックフェザー)最強ですよねーwwwwwwwww
 六武衆(笑) 師範(笑) 紫炎(笑) 六武衆がBF様に勝とうなんて、百年早いぜwwww」
「な、並べるのはこっちだって得意なんだから!得意なんだから……(´;ω;`)」
上は今をときめく新世代デッキの意見、下は今は廃れた旧世代デッキの意見と考えてください。
「そんな態度だと、嫌われますよ。
 デュエルは楽しんでやらなきゃ。」
「そーよそーよ!言葉の言うとーり!」
「糞デッキ使いの桂言葉と涼宮ハルヒって恥ずかしくないの?WWWWWWW
 俺は今日ライロで大会全勝しますからーWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWW
 WWWWWWM

 ライコウ(最強万能カード)
 ライラ(強さはすでにブレイカー以上)
 ジェイン(究極のサイドラ打点)
 オネスト(生きる魔法の筒)
 ケルビム(帝も真っ青な除去性能)
 エイリン(ライロの女神)
 ソーラーチェンジ(光版闇の誘惑)
 援軍(強さは第六感以上)
 裁きの龍(史上最近カード) 」
「……。」
言葉さん、開いた口がふさがりません!どう反応するべきか迷ってらっしゃるようです!
「ほっときなさい。たまたま勝ちを拾っちゃったもんだから、舞い上がってるだけよ。」
「負け犬の遠吠え乙ですwwwwwwww今、どんな気持ち?wwwwねぇ、どんな気持ち?wwww
 それじゃ私達、楽勝で二回戦突破しに行きますねwwwwwありがとうございましたーwwwwww」
なんということでしょう。
【ライトロード(ガチ)】&【BF】という最悪のKYタッグが勝ち上がっているようです!
これはどこかで痛い目にあってもらわなければいけませんね。既に痛々しいですけど。


話を戻して本編。タッグデュエル大会第二回戦である。
二回戦のテーブルに移動したピコ麻呂とハートマン。
そこで会ったのは、メガネをかけたゴツイカメラマン富竹ジロウと、
デカイアフロが印象的な画家ボブ・ロスだった。
どうやら彼らが二回戦の相手のようだ。
「あ、もしかしてピコ麻呂さん?久しぶりだなぁ。」
「やあこんにちは。皆さんにお会いできて嬉しいです。
 軍曹とは私もたまに会いますが、ピコ麻呂さんは国が違いますから
 なかなかお会いする機会がありませんね。」
「うむ。だがボブも富竹も元気そうで何よりじゃ。」
「……なんか、あっちの方でやたらギャーギャー騒いでるのがいるな。ライロだのBFだの。
 お前達のような落ち着きのあるチームが相手でよかったよ。」
四人は素直に再会を喜び合った。
「しかし、ボブも富竹もデュエルモンスターズをたしなんでいたとはのぉ。」
「いやぁ、遊戯君の影響ですよ。まだ、新米です。」
「私も似たようなものです。どうぞ、お手柔らかに。」
「うむ。礼儀は重んじているようだな。さすがだ。」
富竹&ボブチームの謙虚な態度に、感心した様子のハートマン。
だが、今は真剣勝負のタッグデュエル大会。私情を挟みすぎるのは禁物。
ということで、四人は挨拶もそこそこに互いの健闘を祈り、握手を交わした。

一方、別のテーブル。
メガネピザデブのキーボードクラッシャーとカラス天狗っぽい何かの射命丸の相手は、
巫女服とピンク髪がまぶしい琴姫と謎のヘッポコ宇宙ヒーローゴッドマンだった。
「次はお前らかwwwww俺の最強ライロとBFで粉砕してやんよwwwwww」
「あ、クラッシャー様。ご無沙汰しております……と、あら?
 あなた、確か敵だったような?」
「あ、え~っと……こ、こまけぇこたぁいいんだよ!デュエルしましょう、デュエル!」
「地球が危ない!」
挨拶こそどうもぎこちない様子だが、
前回のデュエルの圧勝ぶりに気をよくしたのか、
クラッシャー&射命丸チームは基本的にテンションが高かった。
「ねぇ、今どこ?wwwww」
「地球ん中wwwww」
「宇宙飛行士じゃないからwwwww」
「オゾンより下なら問題ないwwwww」
上機嫌でデュエットまで始める始末だった。
「はぁ……デッキ内容を聞いただけでも疲れるのに……。」
「二人のテンションの高さが危ない!」
闘う前から、琴姫のやる気は削がれていくのであった。ゴッドマンは相変わらずだけど。

「待たせたな!みんな準備はいいか!?
 そろそろタッグデュエル大会第二回戦を始めるぜー!
 デュエルスタンバイ!」
それぞれデッキを準備する参加者達。
「行くぜ!デュエルッ!スタアァァァト!」
アニメ店長の指パッチンと共にデュエルが始まった。


ピコ麻呂&ハートマン
 VS
富竹&ボブ

ピコ麻呂「ワシのターン、ドロー。
 霊滅術師カイクウを召喚し、ターンエンド。」
 ピコ麻呂T モ1枚、伏せ0枚、手札5枚 LP4000

富竹「おっ、ピコ麻呂さんらしいモンスターが出たね。」
ピコ麻呂「うむ……だろうな。」
ボブ「攻撃力1800…ピコ麻呂さんらしい、頼れるモンスターですね。」
ピコ麻呂「ハハハ。そうだろうそうだろう。」
ハートマン「そうか?俺に言わせれば、1800は少し頼りない数値だぞ。」
ピコ麻呂「う…うるさい。」
ボブ「まぁまぁ。では私のターンですね。ドロー。
 う~ん……。」
富竹「どうだい?ボブさん。」
ボブ「厄介ですね。ですが、これくらいなら簡単に突破できます。」
ピコ麻呂「なん……だと?」
ボブ「手札から永続魔法、召喚雲(サモンクラウド)を発動します。
 これは私のフィールドにモンスターが存在しない時、
 手札または墓地から『雲魔物(クラウディアン)』を特殊召喚できます。」
ハートマン「雲魔物……だと?」
ボブ「では次は雲を描いてみましょう。
 召喚雲の効果で雲魔物-スモークボールを守備表示で特殊召喚。
 どうです、愛らしいでしょう。」
ピコ麻呂「かわいいのう、かわいいのう。」
ボブ「では次に、子雲の隣に巻層雲を描いてみましょう。
 雲魔物-キロスタスを召喚します。」
ピコ麻呂「これまた雅なモンスターじゃのう。」
ボブ「ははっ。雲もなかなかよいものでしょう?
 ではここで、キロスタスの効果を発動してみましょう。キロスタスは召喚に成功した時、
 このカードに自分フィールド上の『雲魔物』の数だけ雲魔物カウンターを置けます。」
 富竹T
 雲魔物-キロスタス 雲魔物カウンター:0→2

ボブ「さらにキロスタスの効果を発動。
 彼は自身に載った雲魔物カウンターを2個取り除くことで、
 フィールド上のモンスターを1体破壊できるのです。」
ピコ麻呂「おお、すごい……え?」
 富竹T
 雲魔物-キロスタス 雲魔物カウンター:2→0
 ピコ麻呂T
 霊滅術師カイクウ 破壊

ピコ麻呂「ぬおぉぉ!」
ハートマン「やりやがったな、この雲野郎!」
ボブ「ほら、簡単でしょう?
 では次に、バトルフェイズに入りますよ。
 キロスタスでダイレクトアタック。」

 雲魔物-キロスタス ATK900
 ピコ麻呂T LP4000→3100

ボブ「このように、少しずつ確実にダメージを与えていきましょう。
 これでターンエンドです。」
 富竹T モ2枚、伏せ0枚、魔1枚、手札3枚 LP4000
 ピコ麻呂T モ0枚、伏せ0枚、手札5枚 LP3100

ピコ麻呂「まずいぞ…ボブのペースに乗せられておる。
 このままでは相手の思う壺じゃ。」
ハートマン「そう焦るな。俺のターン、ドロー。
 カードを2枚セットする。」
ピコ麻呂「いやいや。カードを伏せるだけではどうにもならんぞ……。」
ハートマン「いや、この状況を突破するカードがすでに手札にある。
 永続魔法、レベル制限B地区を発動!
 これがある限りレベル4以上のモンスターは全て守備表示になる!」
ボブ「私のキロスタスはレベル4…ということは、守備表示になりますね。」
ハートマン「そしてキロスタスは、表側守備表示になると破壊される。」
ボブ「そうですねぇ。少し残念です。」
 富竹T
 雲魔物-キロスタス 破壊

ハートマン「これでそちらの場のモンスターはスモークボール1体のみだな。
 これでターンを終了する。」
 ピコ麻呂T モ0枚、伏せ3枚、魔1枚、手札3枚 LP3100
 富竹T モ1枚、伏せ1枚、魔1枚、手札3枚 LP4000

富竹「僕のターン、ドロー。
 レベル制限B地区……確かに厄介なカードだ。」
ピコ麻呂「ははは。B地区がある限り、レベル4以上のモンスターは守備表示でい続ける。
 つまり、攻撃はできんな。」
富竹「でも、こちらにも対策はあるよ。
 スモークボールを生け贄に、充電池メンを召喚。」
ハートマン「レベル制限B地区の効果で守備表示だ。」
富竹「ああ、それはもちろんだけどね。こっちも効果を使うよ。
 こいつは召喚に成功した時、レベル4以下の『電池メン』と名のついたモンスターを、
 手札かデッキから特殊召喚できる。
 レベル3、電池メン-単三型を攻撃表示で特殊召喚!」
ピコ麻呂「なにいっ!こうもあっさりと……。」
富竹「電池メン-単三型の攻撃力は自分の攻撃表示の単三型1体につき1000ポイントアップする。
 つまり、今の単三型の効果は1000ポイントって所だね。
 そして充電池メンの攻守は自分の雷族モンスター1体につき300ポイントアップする。
 今、僕のフィールドには雷族モンスターが2体いるから、攻守が600ポイントずつアップする。」
 富竹T
 電池メン-単三型 ATK0→1000
 充電池メン ATK1800→2400 DEF1200→1800

ピコ麻呂「ななな、なんとぉっ!?」
富竹「バトルフェイズ!
 単三型でダイレクトアタック!富竹フラッシュ!」
ピコ麻呂「うおー!ちょ、ちょっと待った!」
ハートマン「10年早いぞ、若造が!
 リバース・カードオープン!速攻魔法、月の書!
 このカードで電池メン-単三型を裏守備表示に変更!」
富竹「あちゃー。そう来たか。」
 富竹T
 充電池メン ATK2400→2100 DEF1800→1500

ピコ麻呂「ほっ……なんとかなった。」
ハートマン「ピコ麻呂、お前ちょっとうるさいぞ。
 さっきのリョウじゃないんだから少しは落ち着きを見せんか、バカモン!」
ボブ「デュエルは静かにやりましょうね。」
ピコ麻呂「はい。」
富竹「さて。カードを1枚セットして、ターン終了。」
 富竹T モ2枚、伏せ2枚、魔1枚、手札4枚 LP4000
 ピコ麻呂T モ0枚、伏せ1枚、魔1枚、手札3枚 LP3100

ピコ麻呂「ここらで挽回せんとな。ワシのターン、ドロー。
 ワシはE-HERO ヘル・ブラットを攻撃表示で特殊召喚。
 このカードはワシの場にモンスターがいない時、攻撃表示で特殊召喚ができるのじゃ。」
ボブ「なるほど、素晴らしいお友達ですね。」
ピコ麻呂「B地区はワシの場にも影響を与えてしまう。が、コレを使えばなんてことはない。
 相手の場に同じ属性のモンスターが2体以上存在している時、
 手札からこの、神禽王アレクトールを特殊召喚できる。」
ハートマン「アレクトールとはまた渋いものを……。」
ピコ麻呂「お前の場には光属性の単三型と充電池メンがいる。よって神禽王アレクトールを特殊召喚!
 そしてアレクトールのモンスター効果。
 1ターンに1度だけ、表側表示のカード1枚の効果をエンドフェイズまで無効にできる。
 この効果でB地区を無効にすれば、ワシは影響を受けなくなるのだ!」
ハートマン「おお、うまいぞ!」
富竹「…でもアレクトールも守備表示になるよ。」
ピコ麻呂「あ……。」
 ピコ麻呂T
 神禽王アレクトール 攻撃→守備
 レベル制限B地区 無効

ピコ麻呂「し、しまった!これでは意味がないではないか!」
ハートマン「だから落ち着け。まだ通常召喚ができるだろ。」
ピコ麻呂「う、うむ…では、気を取り直して……。
 ワシはヘル・ブラットを生け贄に捧げ、D-HERO ダッシュガイを召喚。
 バトルフェイズ!
 ダッシュガイで充電池メンを攻撃!」

 D-HERO ダッシュガイ ATK2100 × 充電池メン DEF1500(破壊)

ピコ麻呂「ダッシュガイは攻撃後に守備表示になる。
 これでまさかの奇襲を受けたとしても安心というわけじゃ。」
ボブ「ははっ、こうなると私の責任が少し重くなってきましたよ。」
富竹「(…でも、この人ならきっと何とかしてくれる。そんな気がするよ。)」
ピコ麻呂「そしてエンドフェイズ。
 ヘル・ブラットを生け贄に『HERO』と名のついたモンスターを召喚した場合、
 このエンドフェイズにデッキからカードを1枚ドローできる。
 さらにここからB地区の効果が再び適用される。これでターンエンドじゃ。」
 ピコ麻呂T モ2枚、伏せ1枚、魔1枚、手札4枚 LP3100
 富竹T モ1枚、伏せ2枚、魔1枚、手札4枚 LP4000

ボブ「さて。ピコ麻呂さんの場には上級モンスターが2体。
 私の雲魔物は守備表示になると破壊されます。厄介な状況ですね。
 でも、この世に失敗はないんです。全ては楽しいハプニングなのです。
 私のターン、ドロー。」
ピコ麻呂「本当に逆転されそうな気がしてきたぞ……。」
ボブ「さて。裏守備の電池メン-単三型を生け贄に捧げ、お友達を召喚してみましょう。
 氷帝メビウスです。」
ピコ麻呂「ぐえぇ!」
ハートマン「雲魔物デッキのクセにそんなものを入れていただとぉ……!?」
ボブ「さて、B地区の効果が発動して守備表示になりますが、
 その後メビウスの効果でB地区と伏せカードを破壊できます。」
ハートマン「まずいな…。ピコ麻呂、その伏せカードを使え。」
ピコ麻呂「伏せだと……おっ、罠カード、サンダー・ブレイク。
 手札から暗黒魔族ギルファー・デーモンを捨て、氷帝メビウスを破壊。」
 ピコ麻呂T
 暗黒魔族ギルファー・デーモン 手札→墓地
 レベル制限B地区 破壊
 サンダー・ブレイク 破壊
 富竹T
 氷帝メビウス 破壊

富竹「あちゃー……。せっかくうまく行くと思ったのに。」
ボブ「失敗なんて怖くないですよ。挽回なんて簡単です。
 私は召喚雲の効果を使い、手札から雲魔物-アルトスを特殊召喚。」
ピコ麻呂「あっ!」
ハートマン「くそっ!それを忘れてた!」
ボブ「バトルフェイズ。決断の時です。
 アルトスでダッシュガイを攻撃します。
 軽く当てるだけでいいんですよ。確実にモンスターを減らしていきましょう。」

 雲魔物-アルトス ATK1300 × D-HERO ダッシュガイ DEF1000(破壊)

ボブ「これで互いにモンスターが1体ずつになりましたね。
 では次に…あ、いい事を思いつきました。リバース・カードを発動します。
 永続罠カード、携帯型バッテリー。富竹さんのカードです。
 これで私達の墓地に存在する『電池メン』と名のついたモンスターを2体特殊召喚します。
 電池メン-単三型と充電池メンをそれぞれ攻撃表示で特殊召喚。」
 富竹T
 電池メン-単三型 ATK0→1000
 充電池メン ATK1800→2400 DEF1200→1800

ピコ麻呂「ぬっ!これはまずい!」
ボブ「では次に充電池メンでアレクトールを攻撃します。」
ピコ麻呂「待ていっ!ダメージ計算時にガード・ヘッジを墓地に送る!
 これにより、この戦闘ではアレクトールは破壊されん!
 攻撃力は半分になるが、守備表示なら問題はない!」
 ピコ麻呂T
 ガード・ヘッジ 手札→墓地
 神禽王アレクトール ATK2400→1200

 充電池メン ATK2400 × 神禽王アレクトール DEF2000

ボブ「数を減らしそびれましたね。
 ですが、手札を減らせました。それでいいんです。
 さて。カードを1枚セットしてターンエンドです。」
ピコ麻呂「この時、アレクトールの攻撃力は元に戻る。」
 ピコ麻呂T
 神禽王アレクトール ATK1200→2400

 富竹T モ1枚、伏せ1枚、魔1枚、罠1枚、手札1枚 LP4000
 ピコ麻呂T モ1枚、伏せ0枚、手札3枚 LP3100

ハートマン「そろそろこちらも攻めさせてもらうぞ。ドロー。
 アレクトールを攻撃表示に変更。
 さらにアレクトールの効果を発動し、電池メン-単三型の効果を無効にする。」
ボブ「これで電池メン-単三型の攻撃力は0になってしまいましたね。
 せっかくのお友達ですが、少し残念です。」
 ボブ
 電池メン-単三型 ATK1000→0

ハートマン「バトルフェイズ。
 アレクトールで電池メン-単三型を攻撃!」

 神禽王アレクトール ATK2400 × 電池メン-単三型 ATK0(破壊)
 富竹T LP4000→1600

富竹「電池メン-単三型がやられたか……。今度は僕が何とかしなきゃダメか。」
ボブ「大丈夫。自分のターンには、何をしたっていいんです。
 自由にモンスターを召喚して、魔法を使って、罠を伏せられるんです。
 気を楽にして過ごしましょう。」
富竹「は、はい。」
ハートマン「だが、こちらも自由にはやらせんぞ。
 カードを2枚伏せてターンを終了。」
 ピコ麻呂T モ1枚、伏せ2枚、手札2枚 LP3100
 富竹T モ0枚、伏せ1枚、罠1枚、魔1枚、手札1枚 LP1600

富竹「僕のターン、ドロー。
 よし、手札から魔法カード、充電器(バッテリーチャージャー)を発動!
 ライフを500ポイント払う事で墓地の『電池メン』と名のついたモンスター1体を特殊召喚する!
 僕は電池メン-単三型を攻撃表示で特殊召喚!」
ピコ麻呂「あーあ。」
ハートマン「骨折り損だと…。」
 富竹T LP1600→1100
 電池メン-単三型 ATK0→1000

富竹「さらに手札から電池メン単三型を召喚!
 これで僕の電池メン達の攻撃力も上がる!
 これぞ、ソウルブラザー!」
 富竹T
 電池メン-単三型 ATK1000→2000
 電池メン-単三型 ATK0→2000
 充電池メン ATK2400→2700 DEF1800→2100

富竹「さて。『デンチメンガフィールドニ3タイソロッタネ』。」
ピコ麻呂「な、なんだ今の呪文は?」
ハートマン「まさしく、呪いの言葉……だ!」
富竹「魔法カード、漏電(ショートサーキット)を発動!
 相手フィールド上に存在するカードを全て破壊する!
 富竹フラッシュ!」
ハートマン「待て待て!それを通すわけにはいかん!
 リバース・カードオープン!カウンター罠、魔宮の賄賂!
 魔法、罠の発動を無効にし、貴様はデッキからカードを1枚ドローする!」
富竹「う……ま、いいか。ドロー……あ。」
ハートマン「?」
富竹「ごめん。もう1枚引いちゃったよ。
 魔法カード、漏電を発動。」
ピコ麻呂「ですよねー(苦笑)」
ハートマン「それで出し抜いたつもりか!甘いわ、カメラ小僧が!
 リバース・カードオープン!罠カード、威嚇する咆哮!
 このカードを発動したターン、攻撃宣言を行うことはできない!
 これで貴様の攻撃は1回休みだ!」
富竹「軍曹、最初からコレを使うつもりだったね……。」
ボブ「それでも賄賂を使わせ、アレクトールを破壊できました。それでいいんですよ。」
 ピコ麻呂T
 神禽王 アレクトール 破壊
 威嚇する咆哮 破壊

富竹「カードを1枚伏せてターンエンド。」
ハートマン「おい、どうにかなるか?」
ピコ麻呂「か、簡単……だと思い……ます。」
ボブ「次に引くカードはきっと、あなたを救います。
 だから堂々としていていいんです。」
ピコ麻呂「そ、そうですよね!」
ハートマン「(だめだ、こいつは。)」
 富竹T モ4枚、伏せ2枚、魔1枚、罠1枚、手札1枚 LP1100
 ピコ麻呂T モ0枚、伏せ0枚、手札2枚 LP3100

ピコ麻呂「ワシのターン、ドロー……ふふふ。」
富竹「?」
ピコ麻呂「ここで墓地に送られたダッシュガイの効果を発動。
 この効果でドローフェイズにドローしたモンスターカードを特殊召喚できる!
 ワシがドローしたのは、ミストデーモン!これを攻撃表示で特殊召喚!」
ボブ「これは鮮やかな手ですね。素晴らしいです。」
ピコ麻呂「そして墓地の闇属性モンスター、ダッシュガイと風属性モンスター、アレクトールを除外し、
 ダーク・シムルグを特殊召喚!
 さらに光神機(ライトニングギア)-桜火を生け贄なしで召喚!」
富竹「攻撃力2000以上のモンスターが3体……!?
 まずいな……これでは逆転されてしまう。」
ボブ「焦る必要はありませんよ。このターンをしのげればいいんです。」
ピコ麻呂「ふっふっふ。それはどうかな?
 アルトスは戦闘破壊されないモンスター。つまり、ワシのモンスターで全軍攻撃すれば、
 2400+2400+2700-1300*3=3600
 つまり、今のお前達を3回は倒せる計算じゃ!」
富竹「え……?そ、それは困る!」
ピコ麻呂「バトルフェイズ!
 ミストデーモンで雲魔物アルトスを攻撃!」
富竹「おっと!そうはいくか!
 リバース・カードオープン!速攻魔法、神秘の中華なべ!
 モンスター1体を生け贄に捧げる事で、そのモンスターの攻撃力か守備力分、ライフが回復する!
 充電池メンを生け贄に捧げ、攻撃力の数値分ライフを回復する!」
 富竹T
 充電池メン フィールド→墓地
 LP1100→3800

ピコ麻呂「ぬぬ……。これでは倒せそうにないか。」
富竹「さぁ、巻き戻しが起きたよ。どうする?」
ピコ麻呂「(電池メンによって巻き返されるのが怖い。
 ここは、電池メンを減らす!)
 電池メン-単三型に攻撃対象を変更じゃ!」
 ミストデーモン ATK2400 × 電池メン-単三型 ATK2000(破壊)
 携帯型バッテリー 破壊
 富竹T LP3800→3400

ピコ麻呂「これで電池メンの攻撃力はダウンする。」
 富竹T
 電池メン-単三型 ATK2000→1000

ピコ麻呂「続いて桜花で単三型を攻撃!」

 光神機-桜火 ATK2400 × 電池メン-単三型 ATK1000(破壊)
 富竹T LP3400→2000

ピコ麻呂「最後にダーク・シムルグでアルトスを攻撃じゃ!」
 ダーク・シムルグ ATK2700 × 雲魔物-アルトス ATK1300
 富竹T LP2000→800

ピコ麻呂「うむ……結局耐えられたか。」
富竹「ふぅ~。危ない危ない。」
ピコ麻呂「さて。このエンドフェイズに生け贄なしで召喚した光神機-桜火は墓地に送られる。
 強い力を持つが故の代償というわけじゃな。ターン終了じゃ。」
 ピコ麻呂T
 光神機-桜火 フィールド→墓地

 ピコ麻呂T モ2枚、伏せ0枚、手札1枚 LP3100
 富竹T モ2枚、伏せ1枚、魔1枚、手札1枚 LP800

ボブ「さて、このターンも楽しく過ごしていきましょう。ドロー。
 お、またいい事を思いつきましたよ。
 アルトスを守備表示にして破壊します。」
富竹「ええっ!?せっかく守ったのに!」
ハートマン「正気か!?」
ピコ麻呂「こやつ、戦術というものを考えておるのか!?」
 富竹T
 雲魔物-アルトス 破壊

ボブ「ここから少しずつ、面白くしていきますよ。
 手札から魔法カード、サルベージを発動し、墓地の攻撃力1500以下の水属性モンスターである
 雲魔物-キロスタスと雲魔物-アルトスを手札に戻します。」
 ボブT
 雲魔物-キロスタス 墓地→手札
 雲魔物-アルトス 墓地→手札

ボブ「さらに召喚雲の効果で、手札からアルトスを特殊召喚。
 そしてリバース・カードを発動。永続罠、リミット・リバースです。
 これで墓地の雲魔物-スモークボールを攻撃表示で特殊召喚しましょう。
 そして次に、手札から雲魔物-キロスタスを召喚します。」
富竹「モンスターが3体に増えたぞ……。」
ハートマン「このためのアルトス破壊だったというのか……。」
ピコ麻呂「少しずつ雲行きが……。」
ボブ「どうです、面白いでしょう?今にどんどんこちらの雲行きがよくなりますよ。
 では次にキロスタスの効果。
 召喚に成功した時、このカードに『雲魔物』の数だけ雲魔物カウンターを置けます。」
 ボブさんT
 雲魔物-キロスタス 雲魔物カウンター:0→3

ボブ「さらにキロスタスの効果を発動。
 雲魔物カウンターを2個取り除き、ダーク・シムルグを破壊します。」
 ボブさんT
 雲魔物-キロスタス 雲魔物カウンター:3→1
 ピコ麻呂T
 ダーク・シムルグ 破壊

ボブ「さて。皆さんに私の一番のお友達をご紹介します。
 3体の雲魔物を墓地に送り、レベル10のモンスター、
 アルカナフォースEX-THE DARK RULERを攻撃表示で特殊召喚しますよ。」
ピコ麻呂「待て待て待て待て!
 いきなり攻撃力4000のモンスターが出てきたぞ!」
ハートマン「おい!さっきまでモンスター0だったじゃないか!どんなマジックを使ったんだ!?」
富竹「すごい!やっぱりボブさんはすごい人なんだ!」
ボブ「そしてDARK RULERの効果。またしても、決断の時です。
 召喚成功時、コイントスをした結果の効果を適用します。
 どうなるでしょうか。ははっ、わくわくしてきますね。」
ピコ麻呂「こちらはどっちに転んでも絶望的です。」
 コイントス 裏

ボブ「おっと、裏ですね。いいですよ。
 これでDARK RULERが破壊された時、フィールドの全てのカードを破壊できます。」
ピコ麻呂「なんとゴツイお友達じゃ……。」
ハートマン「おいおい…これじゃ俺の責任重大じゃないか……。」
ボブ「バトルフェイズ。
 ミストデーモンを攻撃します。」

 アルカナフォースEX-THE DARK RULER ATK4000 × ミストデーモン ATK2400(破壊)
 ピコ麻呂T LP3100→1500

ピコ麻呂「ま、まずい!これはまずすぎる!」
ボブ「ね?簡単に挽回できたでしょう?これでターンエンドです。」
 ボブ様T モ1枚、伏せ0枚、魔1枚、罠1枚、手札0枚 LP800
 ピコ麻呂T モ0枚、伏せ0枚、手札1枚 LP1500

ハートマン「俺のターン、ドロー。
 (と、言っても俺ができることと言えば。)
 カードを3枚伏せてターン終了。」
 ピコ麻呂T モ0枚、伏せ3枚、手札0枚 LP1500
 富竹T モ1枚、伏せ0枚、魔1枚、罠1枚、手札0枚 LP800

富竹「僕がこのターンで決着をつけてみせる!ドロー!
 きたぞ!手札から魔法カード、大嵐を発動!」
ハートマン「リバース・カードオープン、神の宣告ッ!」
富竹「ですよねー(苦笑)」
 ピコ麻呂T LP1500→750
 富竹T
 大嵐 破壊

富竹「ならばバトルフェイズ!
 DARK RULERでがら空きの場にダイレクトアタック!」
ハートマン「俺の全身全霊を賭け…リバース・カードオープン!永続罠、グラヴィティ・バインド!
 レベル4以上のモンスターの攻撃を封じる永続罠だ!
 これでレベル4以上のモンスターしかいない貴様の攻撃は無効だ!」
富竹「あちゃー。ここで“それ”かー。」
ピコ麻呂「ふぅ。これで時間は稼げたな。」
富竹「(…でも、僕の手札には電池メン-業務用がある。
 業務用の効果で墓地の雷族モンスター1体を除外すれば、
 モンスター1体と魔法・罠を1枚破壊できる。
 モンスターが1体でも出ればこれで突破できるし、DARK RULERの効果でも突破できるぞ。)」
ボブ「さて。最後の決断の時ですね。どうしましょうか?」
富竹「……これで、ターンを終了だ。」
ハートマン「おっと。この時にリバース・カードを発動する。
 永続罠、神の恵み。これがある間、俺達がドローをするたびにライフが500ポイント回復する。
 ……ピコ麻呂、後は頼んだぞ。」
 富竹T モ1枚、伏せ0枚、魔1枚、罠1枚、手札1枚 LP800
 ピコ麻呂T モ0枚、伏せ0枚、罠2枚、手札0枚 LP750

ピコ麻呂「このターンで決着じゃな。ワシのターン、ドロー!
 神の恵みの効果で500ポイント回復。」
 ピコ麻呂T LP750→1250

ピコ麻呂「墓地の闇属性悪魔族3体と光属性天使族1体を除外することで、
 手札から天魔神 ノーレラスを特殊召喚できる。
 ワシはこの4体を除外し、攻撃表示で特殊召喚する!」
 E-HERO ヘル・ブラット 墓地→除外
 暗黒魔族ギルファー・デーモン 墓地→除外
 ミストデーモン 墓地→除外
 光神機-桜火 墓地→除外

富竹「でも、ノーレラスの攻撃力は2400。DARK RULERの4000には及ばない。」
ピコ麻呂「ところが違うんじゃな。
 ノーレラスの効果発動。ライフを1000ポイント支払うことで、
 互いのフィールドと手札のカードを全て墓地に送る事ができるのじゃ。」
富竹「ぎゃあーー!」
 ピコ麻呂T LP1250→250
 天魔神 ノーレラス フィールド→墓地
 神の恵み フィールド→墓地
 グラヴィティ・バインド-超重力の網- フィールド→墓地
 ダーク・グレファー 手札→墓地
 富竹T
 アルカナフォースEX-THE DARK RULER フィールド→墓地
 召喚雲 フィールド→墓地
 リミット・リバース フィールド→墓地
 電池メン-業務用 手札→墓地

ピコ麻呂「そして全てを墓地に送った後、カードを1枚ドローできる。ドロー!」
富竹「でも、そう簡単にモンスターを引けるはずが……。」
ピコ麻呂「残念。ワシのデッキは全てモンスターカードなのじゃ。
 霊滅術師カイクウを召喚!」
富竹「ガク…これで僕達の負けは決定か。」
ボブ「落ち込むことはありませんよ。また次頑張ればいいんです。」
ピコ麻呂「バトルフェイズ。
 霊滅術師カイクウでダイレクトアタックじゃ。成仏しろよ。」

 霊滅術師カイクウ ATK1800
 富竹T LP800→0


こうして2回戦はピコ麻呂&ハートマンチームの勝利となった。
「いや~、負けてちょっと悔しかったけど、楽しかったね。
 ボブさんの本気も見れたし、いいデュエルだったよ。」
「私もとても素敵なデュエルができました。今、とっても幸せな気分ですね。」
「うむ。二人の分まで、勝ち上がろう。応援頼むぞ。」
「ボブ、今度俺にも絵を教えてくれよ。」
「もちろんです。それでは皆さん、次の試合もこの調子で頑張ってください。」
四人は楽しいデュエルを終えた充実感に浸りながら、さわやかに別れた。
ただ、すぐに帰るわけではなく観戦に回るようで、
先ほどの試合を見ていたリョウと阿部さんと会話をしていた。
そこへ、琴姫がふらふらとやってくる。
「あ、ピコ麻呂様……。ボブ様と富竹様は?ご挨拶しようと思いましたのに……。」
「もう行ってしまったぞ。
 ……どうした?顔色が悪いぞ。」
「ええ。さっきまでクラッシャー様達が騒いでいたもので……。」
「ギャーギャー騒いでたのはクラッシャーだったのか。
 人の迷惑を考えないアホ豚共が!その口にクソを突っ込ませてやる!」
ハートマンはずんずん足音を鳴らし、鼻息荒くクラッシャー&射命丸チームの方へ歩いていった。
こうして若者に注意をする大人は貴重な存在だろう。
「ところで、琴姫。そっちの様子はどうかな。」
「ふふふ……もちろん、準決勝に勝ち進みましたわ。
 ピコ麻呂様!決勝であなたと勝負ですわ。」
琴姫の顔色は悪いが、目は闘争心に溢れたまま。敵意をむき出しにしている。
一体何が原因なのだろうか。ピコ麻呂には全く覚えはなかった。
だが、自覚がないところで実は人を傷つけているのかもしれない。
ピコ麻呂の脳裏に言い知れない不安がよぎった。
琴姫は、「ごきげんよう」と言い残し、ゆうゆうと去っていった。

一方、ハートマン。
クラッシャーと射命丸の元へ、抗議をしにやってきた。
「おい、貴様ら!ギャーギャー豚のように騒ぐな!
 貴様達白豚のせいで迷惑がかかっているんだ!
 物乞いしか出来ん餓鬼共は静かにしろ!ここは貴様らの鼻クソだらけの小汚い部屋じゃないんだ!」
だが、ハートマンが注意するまでもなく、クラッシャーと射命丸は静かになっていた。
しかも顔は真っ青で、瞳孔は開きっぱなし、ぼそぼそと何かをつぶやいていた。
「うんたんうんたんうんたんうんたんうんたんうんたん……。」
「反則でしょ……なんだよ、あのインチキカード群は……。
 汚いなさすが巫女きたない。」
「オイッ!人の話を聞いているのか!
 貴様ら、耳はついているのか!耳クソが奥まで詰まってて聞こえないってか!
 貴様らの口は、パンとソーセージを詰めるしか脳がないのか!クソ虫が!」
と、クラッシャーと射命丸はハートマンの方を振り向く。
すると涙を浮かべながら
「すみまっせぇぇぇぇん!もうしませぇぇぇん!」
またしても迷惑をかけるような大声を出して、その場を走り去っていった。
脱兎の如く駆け出していったクラッシャーと射命丸を見送ったハートマンは、
後できつく訓練をさせてやる必要を感じていた。
さて、時は流れて準決勝。
今度の対戦相手は――異色のFooさんとビリー・ヘリントンのチームだった。



続く



<デッキ解説>
富竹の【電池メン】とボブさんの【雲魔物】の説明です。
何気にLIGHT OF DESTRUCTIONの光属性ジャンル総出演?
あとなんか痛い人がいますが、
よいこのみんなはルールとマナーをまもってたのしくデュエルしようね。

富竹のデッキ
協力、結束、団結がテーマの【電池メン】。
電池メン-単三型から突如始まったテーマ。
電池らしく属性と種族は光属性雷族(いかずちぞく)で統一されている。
初期は単一型やグラヴィティ・バインドなどで攻撃に耐えつつ、
単三型を地獄の暴走召喚で増やして攻めるパターンが一般的だった。
単二型は空気で、数少ない関連カードの超電磁稼動ボルテック・ドラゴンも、
いいカードと評価されつつあまり使われない。
極めつけは暴走召喚欲しさで万丈目パックを買っても当たらず、
一方的に積み上がるヘッポコおジャマトリオとユニオンモンスターども。
たいした強化もなく終わるかと思われたが、LIGHT OF DESTRUCTIONで突如プッシュされる。
リバース効果で遅いものの、デッキから電池メンを特殊召喚できる電池メン-ボタン型、
召喚すれば手札、デッキから電池メンを特殊召喚でき、
自己強化能力を持つ上級モンスターの充電池メン、
当時としては規格外の破壊効果を持っていた電池メン-業務用。
そして切り札カードに、相手フィールド上のカードを全て破壊する漏電(ショートサーキット)、
墓地の電池メンを2体特殊召喚できる携帯型バッテリー、
さらに墓地の電池メンを手札に回収できる急速充電器(クイック・チャージャー)
といったカードのおかげで、【電池メン】はぐんと使いやすくなった。
それだけでなく、同パックにオネストというサポートカードが入ってきたのも追い風である。
今後の強化は未定だが、光属性と雷族のサポートカードが出れば、
彼らも自然と強化されてゆくだろう。
単三型特殊召喚→地獄の暴走召喚→漏電をブチかますもよし、
業務用や単三型を守り、シンクロを絡めながら安定させて戦うもよし。
様々な応用が利き、ファンではあるが、ガチにも対抗できる良テーマである。
…のはいいのだが、【雷族】を組もうとすると【電池メン】になりがちってどういうことなの…。

余談だが、【電池メン】の強化はもちろんのこと、
LIGHT OF DESTRUCTIONからスタートした【ライトロード】も非常に強力で、
常に大会に名乗りを上げている強豪である。別名永遠のナンバー2。
以前にも語ったと思うので詳しくは割愛する。
このようにLIGHT OF DESTRUCTIONは上記の光属性をプッシュしたパックだった。
まさにGX時代最後のパックにふさわしい内容であったと言える。
もうひとつあったって?破滅の光?ああ、ライトロードか。

有名所の呪いの言葉
ボチニヤミガ3タイ→ダーク・アームド・ドラゴン
ボチニ「ライトロード」ガ4タイ→裁きの龍(ジャッジメント・ドラグーン)
ダメージケイサンニハイッテイイデスカ?→オネスト、BF-月影のカルート
ボチノヤミトヒカリヲジョガイシテ→カオス・ソーサラー
ダーク・ダイブ・ボンバーヲシンクロショウカン→死の宣告
名前を言わなくても、何が来るか予想できる呪いの言葉である。

ボブのデッキ
ふわふわフカフカでモフモフの【雲魔物】。
当時は戦闘破壊耐性自体が珍しく、それに加えて優良効果も備えた雲魔物は珍しかったのだが、
同パックの【E-HERO】が目立ちすぎたためにあまり注目されることはなかった。
後に、一時代を築きあげることとなる【剣闘獣】も驚くべきことに全く注目されなかった。
だが、何よりそのイラストのかわいらしさに心惹かれたデュエリストが多いらしく、
今なお根強いファンが存在する。
属性は雲らしく水属性(一人仲間外れがいるが)、種族は天使族(一人仲間(ry)。
ただし、守備表示だと破壊されてしまうので攻撃表示を強要される。
すなわち、低攻撃力を晒し続けなければならないので、相手にとっていいサンドバッグである。
見た目もなんかサンドバッグっぽいしね。
特に相手がつまずき、レベル制限B地区を使った日には悪夢としか言いようがない。
当初は天空の聖域、スピリットバリアでサンドバッグを防ぎつつ、
雲魔物のスコールで雲魔物カウンターを載せ、効果を使ってチマチマ攻めるのが主流だったが、
パワーカードによって展開が急激に早くなった環境によってこの戦術は廃れた。
チマチマ攻めるよりもむしろ、雲魔物固有の効果を使ってアドバンテージを稼ぎつつ、
召喚雲や戦闘破壊耐性を生かして、こちらも大型モンスターで押すデッキが主流になった。
その大型モンスターには帝モンスターやアルカナフォースEX-THE DARK RULERの他、
大天使クリスティア、シンクロモンスター(特に氷結界シリーズ)等が挙げられる。
そうそうたるメンツだが、打点不足を解消できるアルカナフォースEX系との相性が特によい。
また、召喚時にカウンターが載る効果を再利用し、
攻撃表示の雲魔物への攻撃を躊躇させるために門前払いを採用するパターンもある。
さらにレベル1のスモークボールを擁しているため、コート・オブ・ジャスティスにも対応。
天使族の利点を生かす手段も豊富である。
もちろん、水属性を生かすのも一つの手。深海のディーヴァ、ニードル・ギルマン、雲魔物で、
容易にレベル9のシンクロモンスターを出せる上に、全てのモンスターがサルベージで再利用可能。
このように主戦術にするよりもむしろ、サポートに回ることで真価を発揮するタイプのテーマである。
まさに雲のごとく掴みどころがなく、戦術が自在に変化するテーマデッキと言えるだろう。
アイ……オブ・ザ……タイフーン……?

このデッキの使い手であり、裏切り者でもある男の名は遊戯王GXのアモン・ガラム。
イースト校の出身で第3期にデュエルアカデミアへ留学。
ガラム財閥の御曹司として名が通っていたが、実は拾い子。
荒野で死にかけていたところをガラム財閥に拾われ養子として生活していたが、
実子シドが生まれたため、その子に跡取りの価値を奪われる。
そんなわけで、最初こそペチャンコにしたろと思ったようだが、
シドは病弱でアモンに頼りがちだったために情にほだされ、
やがて彼を立てるために生きるようになった。
だが、ようやく掴みかけた権力を諦め切れなかったらしく、
三幻魔のカードを狙ったり、異世界に残った時もそこで王になろうと考えていたようだ。
特技はリアルファイト。「こう見えても、腕力には自信があるんですよ」とは本人の弁。
コブラと会ったら半裸で殴り合い、ユベルと会ったら超能力バトルをおっぱじめる。
おい、デュエルしろよ。
友人であり、彼を慕っている女性にエコーがいるがこいつがとんでもないクセモノで、
異世界に閉じ込められた十代達を救出するためのカギを握り、
なおかつ貴重な学術的価値を持つレインボー・ドラゴンの石版の爆破をもくろみ、
さらに異世界でアモンに再会すると、エドが何度も止めたのにまるっきり無視して
自らエクゾディアの生け贄となる。ちなみに、謎の本田ヘアーが災いして「本田」と呼ばれていた。
だがアモンも負けじとかなりのクセモノでそうまでしてエクゾディアを手に入れた理由が、
「異世界王に俺はなる!」というあっけない理由。
エコーを失ったことについては「エコーはここにいる!(胸に手を当て)ここに!」なんだそりゃ(´・∀・`)
その自分勝手さはヨハン(ユベル憑依)からも指摘されている(それっておかしくないかな)。
そのヨハンが「王様」と呼んでいたため、「王様」と呼ばれることが多い。
表向きは、冷静で知的で物事の分別のつく優等生のような印象を受けるが、
裏では、上記のように知り合いや恋人などを捨ててでも権力を得ようと画策する程の野心家。
エコーはそのようなアモンの心境を理解しており、満たされないアモンを見て彼女も心を痛めていた。
そのために今いる次元とは違う次元の世界の王に推し上げようと、
レインボー・ドラゴンの完成を邪魔して異世界に閉じ込めようとしたり、
無敵のエクゾディアの力をアモンに託そうとしたのだ。……ちょっと、自分勝手すぎる。
さんざん迷走を続けた末に、ヨハンとのデュエルに敗北し消滅。
以降消息を絶ち、詳細は明らかにされていない。いっちまったなぁ……あいつ。

――だが、物事はそんな単純じゃねぇ!
ヤツらの自分勝手な行動なんざいくらでも耐えられた!
だが、ヤツは俺達にとって命より大切な【雲魔物】デッキを捨てやがった!

最初の頃は【雲魔物】を使い、雲魔物-アイ・オブ・ザ・タイフーンを切り札にしていたが、
エクゾディアを手に入れてからは【エクゾディア】を中心戦術にし、
霧の王城、霧の王などの雲魔物を連想させるカードは投入しているものの、
雲魔物自体は使わなくなってしまった。本当に自分勝手なヤツだ。
Vジャンプのデッキレシピコレクションでも【雲魔物】ではなく【エクゾディア】が採用され、
【雲魔物】使いは涙で枕を濡らした。
漫画GXでもアモンが登場するがもちろん【雲魔物】ではなく、
封印の真言という永続魔法カードに依存した【封印獣】というデッキだった。
自分中心の態度は同じなのに、相違点がよりによってデッキ内容とか……。

ゲームではTF2で登場。雲魔物がまだ出揃っていないため、
悪名高き糞デッキ使いとして知れ渡っている。AIも糞なので救いようがない。
WC2008でも登場するが、同ゲームに登場する雲魔物-ポイズン・クラウドと構築が被り気味。
ぶっちゃけ、出現させるのが面倒なだけで、ポイズン・クラウドの方が強い。
練習相手としてよりもむしろ、出現させることに価値のあるキャラクター。
TF3では弱い方のデッキは【雲魔物】だが、強い方はもちろん【エクゾディア】である。
ヨハン達と共に異世界から帰還しているが、
エコーを探すためにまた異世界へ行こうとしていた。もう勝手にしろよ。



最後まで読んでくれてありがとう(´^ω^`)ノシ
NK
2010年01月30日(土) 04時18分57秒 公開
■>この作品の著作権はNKさんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
僕が使ってるデッキは【トゥーン】ですが何か?クラッシャー君。

元々、ボブさんにはロック型の【雲魔物】を使わせ、泥仕合にしてノーレラスで逆転させる予定でした。
でも、結果的にはこれでよかったんじゃないでしょうか。そうでしょう、ボブさん。
いつも通りうpしようと思ったら、不手際を発見。直していたら時間がかかってしまいました;
これだからデュエルSSは……!
過去の作品なので感想を投稿することはできません。 <<戻る